2023年01月04日
工学研究科教育研究支援部 野口大介技術職員の研究論文が、ウクライナ化学誌「Ukrainian Chemistry Journal」に掲載されました。「Ukrainian Chemistry Journal」は、ウクライナで最も古い単一の化学誌の一つで、現代化学の理論および応用問題の進歩に関する原著論文や総説を掲載しています。
分子生物学や分析化学分野などで代表的なキレート剤として汎用されているエチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびその塩の結晶構造を、データベースに登録されている情報に基づいて整理し、分子内接触原子間距離を分析してそのコンフォメーションの違いを考察した論文が、Ukrainian Chemistry Journalよりオンラインにて掲載されました。
EDTAとその塩には、最近になって、これまでの常識を覆す発光性が知られており、その発現には分子内接触原子間距離が影響している可能性が示唆されています。
今回の報告によって既知の非キレート性EDTAおよびその塩の結晶構造に関する情報が一通り網羅されたことから、本論文が今後の先端分野における基礎資料の一つになりうると期待されます。
2022年より依然として戦禍に見舞われているウクライナの人々は日常生活を努めて継続しており、そのための一助を担うことができました。ウクライナおよび世界に一刻も早く平和が訪れることが強く望まれます。
■論文情報
・タイトル:ANALYSIS OF SPECIALTIES OF CRYSTAL STRUCTURE FOR NON-CHELATE CONFORMATIONS OF ETHYLENE-DIAMINETETRAACETIC ACID AND ITS SALTS WITH ALKALI AND ALKALINE EARTH METALS
・著 者:野口 大介(長崎大学大学院工学研究科教育研究支援部 技術職員)
・掲載誌:Ukrainian Chemistry Journal, Vol 88, No 10, 55-69 (2022)
URL:https://ucj.org.ua/index.php/journal/article/view/485
DOI:10.33609/2708-129X.88.10.2022.55-69
■謝 辞
本研究の一部は長崎大学卓越大学院プログラムの助成を受けたものです。