2022年10月12日
高校生や大学生に向けたジェンダーについて考える入門書「ジェンダーのとびらを開こうー自分らしく生きるために」村田晶子・森脇健介・矢内琴江(長崎大学 ダイバーシティ推進センター・准教授)・弓削尚子 共著が9月21日に出版されました。共著者はそれぞれ教育学、法学、歴史学と分野が異なります。それぞれの研究の中でジェンダーの視点から考えてきたこと、大学の授業の中で学生たちとのコミュニケーションの中で考えてきたこと、日常生活の中の疑問や違和感から考えてきたことを、何度も話し合いながらこの本を書きました。共著者の私たちそれぞれの専門性や経験を活かして作ったジェンダーの本です。
『ジェンターのとびらを開こう 自分らしく生きるために』 著 者:村田晶子・森脇健介・矢内琴江・弓削尚子 定 価:1,881円 kindle版 1,980円 単行本(ソフトカバー) 体 裁:320ページ 出版社:大和出版 |
この本では、高校生と大学生が、ジェンダーの視点から、セクシュアリティ、家族、恋愛、ファッション、カルチャー、学校、キャリアといったテーマを通して、自分たちの日常や社会のあり方について考えます。登場人物たちは対話を通して、今まで気にも留めてなかったこと、自分の中の偏見や差別に気が付いたり、モヤモヤしていたけど言葉にならなかったものの正体がはっきりしたりしていきます。そして、少しずつ、自分はどんな風に生きたいのかについて考え深めていきます。
この本を手にとった人も、この本を通して、こんなふうな生き方をしたい、こんなふうな私になりたいといった願いが少しでも描けると良いなと思っています。ジェンダーのとびらを開くということは、「自分らしく生きること」の探究の始まりだと考えるからです。
さて、長崎大学にもダイバーシティ推進センターがあります。当センターも、長崎大学で働いたり、学んだりしているすべての人が、その人らしい力を発揮できるようサポートしたいと考えています。そのために、様々な取り組みをしています。例えば、この4月に発行された『LGBT+ガイドライン』の改訂版は、学内の制度だけではなく、LGBT+に関する基本的な理解や多様性を大事にした表現ガイドを盛り込んだ内容になっています。また、「ダイバーシティ推進学習プログラム」を開講しています。
e-learningや月1のセミナーによってダイバーシティについての理解を深めます。12月には市民公開講座の開催を予定し、大学だけではなく地域の一般の方々とも一緒に学ぶ機会を設けています。そして、様々な支援制度(介護と仕事の両立支援、ワークライフバランスの支援等)によって、どんな状況の人も、この大学で働き続けられることを応援しています。
長崎という多様性を受け入れてきた歴史のある地域の大学ならではの多様性の尊重の実現の仕方があるのではないかと思っています。