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工学部創成プロジェクト最終成果発表会で優勝した「長崎大学メタバース広報大作戦」チームにインタビュー

 長崎大学工学部・工学研究科の学生3人が「長崎大学メタバース広報大作戦~若い人達に長崎大学の魅力を発信!~」をテーマに長崎大学学園祭(以下、長大祭)の概要やサークルの企画や出店情報などを紹介するメタバースを制作し、「創成プロジェクト」最終成果発表会で見事優勝しました!
 メタバースを制作した、大学院工学研究科 博士前期課程総合工学専攻機械工学コース1年の寺田悠真さん、工学部工学科電気電子工学コース4年の中島祐太朗さん、工学部工学科社会環境デザイン工学コース3年の若宮千武さんの3人にお話を伺いました。(聞き手は広報戦略本部スタッフ)

制作したメタバースはこちら
長崎大学学園祭「絢爛」メタバース:
https://ngasakiu_meta.cloud.vket.com/worlds/phPT9iWw/main.html?worldid=phPT9iWw

※このメタバースは無料のサーバを使い、アプリのダウンロードが不要のブラウザ上で動作させております。長大祭の世界観をあまねく体験してもらうため、ぜひノート PC 以上のスペックでアクセスください。

実際に制作したメタバース空間

「創成プロジェクト」とは
 社会の様々な課題に対して、産学官連携のもとで解決を目指す課題解決型授業です。工学部の学生と工学研究科博士前期課程の大学院生が、学年やコースを超えて合同でチームを作り、県内外の企業や自治体等から提案されたテーマ、あるいは学生・教職員が提案したテーマに対して、約1年をかけてその問題の解決に取り組みます。


優勝おめでとうございます!感想をお聞かせください。
寺田まさか優勝するとは思っていなかったので正直驚きました。ただ、これは自分たちだけの力ではなく、指導してくださった小林先生や、広報戦略本部の皆さんなど、みんなで勝ち取った賞だと思います。

工学研究科博士前期課程1年 寺田悠真さん

 「長崎大学メタバース広報大作戦」というテーマが設定されたのは、情報データ科学部の小林透教授と広報戦略本部のメンバーが「大学内外とのコミュニケーションや情報発信、広報活動にメタバースの技術を活用できないだろうか」と雑談をしたのがきっかけでした。3人の学生がこのテーマにチャレンジしたいと手を挙げたことから、大学広報業務の抱える課題やニーズを具体的に知るため広報戦略本部とミーティングを重ねることになり、その中から長大祭をメタバース化するという企画を学生自らが立案し、メタバース空間を作り上げました。


そもそも、なぜこのプロジェクトに参加しようと思ったのでしょうか?
中島:大学の中で、講義を受けるだけではなくて、何か新しいことをしてみたい思ったからです。
寺田:僕もそうですね。あと、就活の時にメタバースを作りましたと言うとかっこいいな、という興味本位でもありました。
若宮:僕もメタバースは今はやりのコンテンツという感じで、興味があって参加しました。僕は実は、創成プロジェクトは今年で3年目なんです。2年目からは単位にならないのですが、何か新しいことがしたい、主体的に何かを作り上げるという経験がしたい、という思いがあって毎年参加しています。

工学部3年 若宮千武さん


素晴らしいですね!創成プロジェクトはそれだけの魅力があるということですね!
メタバースは皆さんこれまでに作ったことはあったのでしょうか?
寺田:いえ、みんな今回が初めてですね。「Vket」というメタバース空間制作ソフトの開発会社が提供している無料のサービスを利用したのですが、困った時に質問に答えてくれたりするサポートもあって、初めてでもなんとか作り上げることができました。


大学の行事やイベントをメタバースで紹介する例は国内でも少なく、当該会社のYouTubeチャンネルでも紹介され、高い評価をいただきました。
https://www.youtube.com/live/vjWtDxOkPB4?si=-QtSnWXOIvUOFmXP&t=2838
(YouTube 長大祭メタバースの紹介のあたりへリンクします)

プレイヤーはメタバース内を駆け回り、長大祭での催し物のタイムテーブルはもちろん、今回協力を得られた各サークルのブースを訪れ、各サークルの HPやSNS、当日のパフォーマンスの予定なども見ることができます。展示を説明する音声が流れるブースがあったり、同時に入室している他のアバターと会話をしたりすることもできます。

実際に制作したメタバース空間(情報提供:よさこいサークル「突風」)


プロジェクトを進める中で、難しかったことはありますか?
中島:最終的に学園祭をメタバース化することに決まったのですが、その過程の中で何度も議論を重ねました。大学広報には現状どのような課題があって、それをメタバースという手段を使ってどのように解決していけるのか、メタバース化することでどのようなメリットがあるのか、考えていくのは楽しくも難しくもありました。

工学部4年 中島祐太朗さん

お二人はどうでしょうか?若宮さんはメタバースのオブジェクトを制作する担当、寺田さんはメタバースの空間を制作する担当だったと伺っておりますが。
若宮:そうですね、オブジェクトを制作するにあたっては、よりリアルなオブジェクトを作り込みたいけれど、そうするとどうしても動作が重くなってしまうという問題があって、軽量化しなければならないことと、作りたいデザインとのバランスが難しかったですね。
寺田:僕はメタバースの空間(ワールド)を制作する担当だったのですが、全体的にどのようなデザイン、世界観にしたらおもしろくなるかを考えるのが難しかったですね。長崎と言えば港町のイメージだったので、最初は船をデザインしましたが、もっと開放感があった方が良いよね、という話になって修正し、最終的に現在の船着き場のデザインになりました。

港町をコンセプトに作成した仮想空間


皆さんそれぞれ違った課題に直面されていたのですね。メタバース内の見どころを教えてください。

寺田:長大祭のテーマが「絢爛(けんらん)」だったので、それに合わせて、メタバースの空間もきらびやかで華やかなものになるように工夫しました。長大祭の立て看板のデザインに合わせて、壁をゴールドのような色味にし、龍や船などの背景を描いたり、テーマに合った空間を作れたかなと思っています。

特に最後の一か月は、かなり追い込んで、作り込まれていましたね。夜中の3時くらいにメールが届いたりして大丈夫かな?と心配したりしていました。周りから何か反響はありましたか?
寺田:そうですね。最終成果発表会の後、いろんな先生から「これってまだ続けるよね?」「おもしろいから、もっとやった方がいいよ」「長崎大学らしい世界観を、ここまでメタバースで実現したということは素晴らしいね」などとお声がけいただきました。優勝という形で結果を残せたのもよかったです。

創成プロジェクト最終成果発表会 プレゼンテーションの様子


我々もとても嬉しいです。今回は学園祭の広報活動をメタバースで行いましたが、学園祭に限らず、これから様々なイベントや広報活動においてメタバースは活用していけそうですね。
最後に、このプロジェクトで得たものを教えてください。
寺田:これまで授業や研究では、基本的に一人でやるプロジェクトが多かったので、今回は広報戦略本部の方々も含めて、チームで進めることは新鮮でした。時にはギクシャクすることもありましたが、チームワークを学べたことは社会に出ても役に立つかなと思っています。
中島:僕は、これまで大学では電気系を学んでいたのですが、今回メタバースを制作することによって、情報系のおもしろさに気が付きました。自分の中の将来の選択肢が一つ増えたように思います。

今回のプロジェクトの中で、授業では学べないことを得られたようで良かったです。
本日はありがとうございました!

創成プロジェクト最終成果発表会 展示会場にて
集合写真