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情報データ科学部 高田英明教授が裸眼3D表示システム研究開発の功績により高柳健次郎業績賞を受賞

 情報データ科学部 高田 英明 教授が⻑年に渡り研究を進めてきた裸眼3D表示システムの研究開発が評価され、高柳健次郎業績賞を受賞しました。高柳健次郎賞・高柳健次郎業績賞は、電子科学技術に関する優れた研究により、わが国のこの分野の振興並びに産業の発展に貢献された方々の功績に報い、電子科学技術の更なる発展とその啓蒙に寄与することを目的とした賞です。
 今回受賞した高柳健次郎業績賞は、電子工学、情報通信工学及び放送工学などの分野で、将来性ある研究成果をあげ、技術の発展や産業に貢献した人で、次世代を担うに相応しい人に対し、公益財団法人高柳健次郎財団より授与されます。

◆公益財団法人高柳健次郎財団 2022 年度高柳健次郎賞・高柳健次郎業績賞決定(リンク)
https://takayanagi.or.jp/sub/pdf/2022prize.pdf

図1 授与された表彰楯

■ポイント 
・情報データ科学部 高田英明教授が「2022年度高柳健次郎業績賞」を受賞しました。
・3Dメガネを必要とせずに裸眼で見られる3D ディスプレイを実現しました。
・世界最大級のインタラクティブ型360度テーブルトップ裸眼3D表示システムを開発しました。
・現在、個人でも利用できるパーソナル裸眼3D表示システムの実現を目指しています。

 将来到来するサイバー・フィジカル社会※1においては、人と人との究極のインタフェースとして、相手があたかもそこにいるかのような超高臨場感映像の実現が期待されています。その中でも重要な役割を果たす3D映像では、3Dメガネを必要とせずに自然な立体視ができる裸眼3D表示システムの研究が進められています。

 高田教授は、新たな立体知覚現象※2の発見に基づき、3Dメガネを必要とせずに自然な3D映像を簡便な構成、かつ、少ないデータ量で提示できる新たな裸眼3D表示システムを確立し、様々な用途に向けた小型から大型までの裸眼3Dディスプレイを実現してきました。
 また、立体知覚現象のメカニズムを拡張し、新たな光学系の開発と合わせて、従来必要であった膨大な数の映像やプロジェクタなどを圧倒的に削減した世界最大級のインタラクティブ型360度テーブルトップ裸眼3D表示システムを開発してきました。
 最近では、画質や構造に有利な光学系の適用と小型モジュール化の提案により、個人レベルでも利用可能なシンプルかつ高画質なパーソナル裸眼3D表示システムの実現を目指すなど、視覚の知覚メカニズムを活用する多くの取り組みにより、本分野を牽引しています。



図2 現在進⾏中のパーソナル裸眼3D表⽰システムのコンセプトと実験⾵景

 このように⾼⽥教授は、利⽤者が⼈であることに着⽬し、⼈の知覚特性を最⼤限に活⽤することで、デバイスの進化だけでなく⼈とデバイスとの協調によって技術課題を克服する新たな取り組みにチャレンジし、また、映像関連の学会理事や研究会委員⻑、光産業技術のロードマップ策定委員⻑などを務めるなど、光産業や映像産業の発展に⼤きく貢献しています。

※1 サイバー・フィジカル社会:サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)が融合する未来の社会

※2 ⽴体知覚現象:奥⾏き⽅向に配置した2⾯の表⽰⾯に、表⽰したい3D像の2D射影像を重なり合うように表⽰すると、異なる2つの像ではなく、奥⾏き⽅向に融合した1つの像として知覚する現象(奥⾏き融合現象)と、表⽰したい3D像の奥⾏き位置に応じて前後2⾯の像の輝度⽐を変化させると、奥⾏き位置が連続的に変化して知覚する現象(奥⾏き位置の連続的知覚現象)の2つの現象からなる新たな視覚の知⾒