2021年07月01日
医歯薬学総合研究科大学院生 堤 智寛さんは第31回万有福岡シンポジウムにてポスター賞を受賞しました。堤 智寛さんの研究内容は「マクロリド抗生物質ツガシンcmc-Aの全合成」と題するものです。
ツガシンは、複雑な大環状中分子天然物で、多剤耐性を獲得した結核菌に対し強力な抗菌活性を示します。多剤耐性結核の克服はSDGsの一つであることから、ツガシンは医薬品リードとして世界的に注目を集めています。しかし、ツガシンcmc-Aの構造は完全には明らかになっておらず、その構造決定と供給方法の確立が求められておりました。堤さんは、石原教授、畑山名誉教授の指導のもと、フランスのオートアルザス大学ミュールーズ国立高等化学院と共同で本化合物の合成研究を行い、本天然物の世界初の全合成に成功するとともに、その化学構造を完全に明らかにしました。この結果が高く評価されました。
なお、本賞の受賞により、本年8月に開催される有機合成化学協会九州山口支部「第33回若手研究者のためのセミナー」の講演者として招待されました。