2019年03月19日
水産・環境科学総合研究科(水産学系)の玉置昭夫教授が、日本生態学会の第12回(2019年度)大島賞を受賞しました。本賞は、野外における生態学的データの収集を長期間継続して行うことなどにより生態学の発展に寄与している会員を対象とした賞です。受賞対象となった研究は「天草および有明海の砂質干潟ベントス(底生無脊椎動物)群集の長期変化」に関するものです。天草では1979年以来、有明海では2002年以来、調査研究を続けてきました。十脚甲殻類・貝類・多毛類などの個体群変動を、成体の生残過程および生活史初期の浮遊幼生の生残と海流による輸送の過程を視野に入れて解析し、複数の干潟個体群を結びつける広域のネットワークが個々の干潟個体群・群集の動態の把握に欠かせないことを示しました。また、本研究の結果は、有明海アサリ資源の長期変動要因の解明にも貢献しました。さらに、今後の維持・増産施策への寄与も期待されます。 授賞式は、2019年3月18日に神戸市神戸国際会議場で開催された第66回日本生態学会大会総会に続いて行われました。また、同日午後、受賞記念講演が行われました(九州・天草の砂質干潟ベントス群集の長期変化―底生・浮遊過程がどのように複合して働いてきたか)。 |
第12回日本生態学会大島賞 (第66回日本生態学会総会で授賞(平成31年3月18日)) |