2018年08月06日
長崎大学大学院工学研究科 松田浩 教授、長崎大学大学院工学研究科 出水享 技術職員などが長年にわたって研究開発を行ってきた「PC構造物の現有応力を測定するスリット応力解放法の開発」が国土技術開発賞二〇周年記念創意開発技術大賞(主催 一般財団法人 国土技術研究センター/一般財団法人 沿岸技術研究センター、後援:国土交通省)を受賞し、7月31日(火) 東京国際フォーラムで受賞式が行われました。 国土技術開発賞は建設産業におけるハードな技術のみならず、ソフトな技術も含めた広範な新技術を対象として表彰するものであり、技術開発者に対する研究開発意欲の高揚並びに建設技術水準の向上を図ることを目的として行うものです。創意開発技術賞は、中小建設業者、専門工事業者等が独自に開発した技術の中から、創意工夫やアイデアを展開・発展させて開発した技術を表彰対象とする国土技術開発賞の特別賞となります。今年は国土技術開発賞創設20年の年に当たり、「国土技術開発賞二〇周年記念賞」を設け、更なる技術開発者に対する研究開発意欲の高揚と建設技術水準の向上を目的として、これまでの間に表彰した技術の中から、特に優れ今後の建設技術開発分野の模範となる技術が表彰されました。 本技術は、プレストレストコンクリート(PC)構造物の現有応力を高精度に測定する技術です。 我が国では高度経済成長期に数多くの橋梁が建設され、老朽化した橋梁の安全確保や維持管理費の縮減が喫緊の課題となっています。特にPC橋の維持管理では、現有応力を測定することが重要ですが、既存の測定技術は精度や作業性などの問題があり広く普及していません。本技術は、応力作用方向に対して直角に一直線の溝(スリット) を切削後、応力解放ひずみを光学的全視野ひずみ計測装置で計側し現有応力を測定する技術となります。従来法と比較して特に測定精度や作業性において優れた方法となっています。技術の効果は、従来技術と比較して現有応力の測定精度が高いことからPC橋の安全性確認、定期的な維持管理および補修・補強設計の基礎データを得る目的で有用である。このことから、国・自治体が進める橋梁を中心とした道路ネットワークの安全性の確保に貢献でき、予防保全に基づくインフラのライフサイクルコストの縮減に寄与することができます。 受賞名:国土技術開発賞二〇周年記念創意開発技術大賞 開発名:PC構造物の現有応力を測定するスリット応力解放法の開発 応募者名 :(株)計測リサーチコンサルタント/(株)K&T こんさるたんと 技術開発者:佐賀大学大学院 教授 伊藤幸広/長崎大学大学院 教授 松田 浩 長崎大学大学院 技術職員 出水 享 共同開発者:福岡県工業技術センター/宮崎大学 教授 森田千尋 応募技術 受賞技術の概要(http://www.jice.or.jp/review/awards/20th_anniversary) |
工学研究科 松田浩 教授 | 工学研究科 出水享 技術職員 |
関係者による記念撮影 |