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水産物、水産加工品の中毒発生物質であるヒスタミンを簡便に測定できる コーミル(Comilu for histamine)が発売

国立大学法人長崎大学海洋未来イノベーション機構の村田昌一教授と水産・環境科学総合研究科の濱田友貴准教授が、フジデノロ株式会社(本社小牧市、代表取締役 渡邉樹志)と共同研究を行い開発されたヒスタミン酵素センサー、コーミルが、平成30年2月に発売されました。

Comilu

近年、経済の発展に伴う食品流通の高度化が進む一方、食中毒等、食品に対する安全性や安心感が危惧される多くの問題が発生しています。水産食品では日本人が鮮魚として好んで食するイワシ、サバ、マグロなどの比較的赤身が多い魚や、これらを原料とする加工品によるヒスタミン食中毒事例が後を絶ちません。農林水産省、水産庁はヒスタミンによる食中毒予防のため、「食品の流通段階では製造や保管の履歴を確認し、必要に応じてヒスタミンを検査することが有効」としています。しかし、ヒスタミンの測定はサンプルの調製が煩雑で特殊な機器や薬品が必要であること、また、操作も煩雑であることから、水産現場で簡便に測定できないのが現状です。

本機器はセンサーチップに固定化された酵素が特異的にヒスタミンを過酸化水素へ変換し、本体がその過酸化水素を電気信号に変換し、ヒスタミン濃度として数値化することを原理としています。これにより、サンプルの調整も極めて簡便で、特殊な機器、薬品等も必要なく、短時間で生産、流通、加工、小売等の水産のほとんどの現場でヒスタミンの測定を可能とします。

Comilu 測定原理

本機器は食品の安全性を数値で管理し、消費者の安全・安心への期待に答えることを可能とするのみならず、流通段階での衛生管理の指標としても応用可能であると考えます。また、日本国内のみならず、世界での日本食品の安全性の指標ともなり、日本農林水産一次産品、加工品の競争力強化につながるものと確信しています。