2016年04月21日
水産・環境科学総合研究科 博士前期課程 環境科学専攻1年(環境地下水学研究室)の北村涼馬君は,平成27年度地盤工学会九州支部学生賞(優良学生賞)を受賞しました。受賞対象となった研究内容は,環境科学部の卒業研究として実施した「火山灰土における塩吸着メカニズムのモデル化」と題するものです。わが国の農用地において広く分布している火山灰土において,塩溶液が浸透した際に,塩吸着や塩吸収とよばれる現象が発現することがあります。これは,見かけ上,pHを変化させることなく,陽イオンと陰イオンを等量吸着する現象であり,このため,見かけの有効陽イオン交換容量(ECEC)と有効陰イオン交換容量(EAEC)を拡大させる,すなわち土の吸着能力が見かけ上向上する現象です。このことは,例えば,硝酸性窒素による地下水汚染に対するバリア機能を評価する上でも重要なメカニズムであり,できるだけ正確かつ簡便に性能を評価する必要があると考えられます。本研究では,鹿児島県の圃場で採取した3種類の火山灰土について,所定の濃度に調整した塩溶液と平衡させ,ECECとEAECの変化量を測定し,溶液のイオン強度との関係をとりまとめました。北村君は学部生ですが,指導教員と協力し,室内実験と分析を実施し,結果を精力的にとりまとめたことなどが高く評価されました。 |
水産・環境科学総合研究科 北村涼馬君 賞状 |