2015年10月20日
第22回日本排尿機能学会(札幌)において、本院泌尿器科・腎泌尿器科の松尾朋博助教が日本排尿機能学会賞を受賞しました。 研究内容は、メタボリックシンドロームに直接的な影響を及ぼすと考えられる食塩摂取量と、夜間頻尿との関連を明らかにしたものです。 例えば、高血圧の方は日中、交感神経が優位になり血管が緊張状態になります。そのため副交感神経が優位になる夜間に排尿量が増えることがわかっていました。夜間頻尿は慢性的な睡眠不足を引き起こします。近年のさまざまな研究で、排尿障害、特に夜間頻尿とメタボリックシンドロームとの関連が指摘されていましたが、食塩摂取量と夜間頻尿の直接の関連性については明らかになっていませんでした。 今回、松尾助教らは728人の男女の被験者の排尿量と排尿時の塩分量について調査しました。その結果、食塩摂取量が増えると夜間排尿量も増加し、日中における夜間の排泄量の割合も塩分摂取量の増加とともに上昇することがわかりました。 松尾助教はメタボリックシンドロームになる以前から夜間頻尿の症状は起こっており、水分や塩分摂取量の調整で症状を抑えることができるのではないかと考えています。現在、論文も作成中とのことです。 松尾助教は『酒井教授、宮田准教授のご指導の下、栄誉ある学会賞を受賞し非常に光栄に思います。これからも患者さんを第一に考えられる医師を目指し、今後も1人でも多くの患者さんに還元できるような有益な学術発表ができるよう精進します。 そして、諸先生方とともに若手医師の指導に当たりたいと思います。』と話しました。 |
松尾朋博医師 |