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動かないことによって生じる骨格筋の線維化の原因を探索

本院のリハビリテーション部、本田祐一郎理学療法士が第47回日本結合組織学会学術大会にて※Young Investigator Awardを受賞しました。
 
  長期間の入院などで不動状態が続くと関節の運動制限(拘縮)が生じ、日常生活動作の能力低下を招くことからリハビリが必要になってきます。 拘縮には骨格筋の線維化に伴う伸張性の低下が関与するといわれていますが、そのメカニズムについてはこれまで明らかにされていませんでした。
 
  本田氏はラットのヒラメ筋を使った実験において、不動に伴う骨格筋の伸張性の変化とそのメカニズムの解明を進めてきました。 その結果、1週という短期の不動で骨格筋の伸張性は低下し、これにはサイトカインの動態変化に伴う線維化の発生が関与していると推察されました。
 加えて、4週以上の長期の不動では骨格筋の伸張性がさらに低下し、これには先のサイトカインの変化や低酸素状態の惹起に伴う線維化の進行が関与している 可能性が示唆されました。 これまで運動障害リハビリテーション学研究室に所属し、拘縮についての研究を6年間続け、現在本院のリハビリテーション部において患者さんへのリハビリに あたる本田氏。 今後はさらに筋組織の線維化の研究を進め、本研究を拘縮の予防と治療に役立てていきたいと話しました。
 
 ※Young Investigator Awardは結合組織や関連分野において研究をすすめる日本結合組織学会が主催する学術大会で40歳以下の若い研究者を対象に贈られる賞です。

増?病院長(右)と記念撮影
増?病院長(右)と記念撮影

 


図)不動に伴う骨格筋の線維化の発生と進行