2015年04月21日
長崎大学の国際化を進めるため、国連大学(東京都渋谷区)のMalone学長を招聘し、片峰学長らと意見交換を行いました。多文化社会学部やRECNA、熱帯医学・グローバルヘルス研究科から教員が参加、それぞれの概要を説明し、今後の連携について意見交換がなされました。 また、夕刻には、第1回国際連携セミナーとして、学生、教職員に対し'The UN's Challenges in the International Security Field'と題したセミナーを開催しました。 セミナーには、多文化社会学部の1年生、2年生を中心に約150名の学生、教職員等が参加しました。 カナダの外交官として国連や国際機関での経験の長いMalone博士は、創設70年を迎える国連の歴史に触れたのち、国際社会が抱える安全保障の問題は、単に「戦争」と「平和」の問題ではなく、その間の連続線上に人々の安全を脅かす様々な暴力の状況があり、国連と国連諸機関はそのような問題に取り組んできたことをお話しされました。 特に多くの生命を奪い、難民を生み出す内戦や、国内で、国境を越えて人々の安全を脅かす国際麻薬取引、多くの国を巻き込む可能性のある国家間の紛争予防、紛争激化防止、もっともぜい弱な難民への支援を、安全保障の重要な課題として挙げられました。 貧富の差の是正に国連はどのように対処するのかという学生からの質問には、すべての人々に基本的な福祉を提供し、コミュニティ間の水平的な不平等を解消すべく、国連は様々な社会プログラムを提供していく考えであると述べられました。 また、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの実現に必要な視点は何かという学生からの問いには、その国の社会を理解し、価値観の差異を受け入れることが保健プログラムを成功させるために不可欠であることを強調されました。 国連機関でのキャリアに興味のある学生たちには、強いモチベーションがあることが第一であり、国連、NGO問わず難民支援などの分野で活躍する人材へのニーズは高く、若い時こそ世界各地のフィールドで果敢に活躍する経験をしてほしいとの激励のメッセージが送られました。 |
セミナーで講演するMalone国連大学学長 多文化社会学部の学生からの質問に答える |