2012年09月28日
長崎大学工学研究科の黒川不二雄教授,柴田裕一郎准教授,丸田英徳助教らは、NEDOが2008年度に開始したグリーンITプロジェクトにおいて、NTTファシリティーズ,三菱電機,日本電気および産業技術総合研究所と共に、省エネ技術を結集した次世代モジュール型データセンターを構築しました。これまで開発してきた省エネ基盤技術である、高電圧直流電源技術、サーバー液冷技術、グリーンクラウド運用技術、データセンターモデリング・評価技術に、今回新たに開発した外気導入技術(特許出願中)を組み合わせ、エネルギー利用効率を最適化し、目標とした総消費電力を従来に比べ30%以上を削減できることを検証します。また、商用電力の供給量が制限された際に、制限内で効率良くデータセンターの運用が行える運用技術も開発しています。
クラウドコンピューティングの普及とともに震災以降需要の高まるデータセンターにおいて、省電力は必須の技術となっています。技術開発を進めていくことで引き続き持続可能な社会の実現に貢献することが期待されます。
この成果の中の一つとして、長崎大学,NEDO,NTTファシリティーズおよび三菱電機のグループは、電源システムの直流化によりシステム全体の変換段数を削減するとともに、約380Vの高電圧化により電源システムの効率を向上させました。さらに、IT機器の消費電力に応じて電源ユニットの運転台数を最適制御する電源アダプティブ制御技術を確立し、常に運転効率の高い状態を維持することを実現しました。この制御技術は直流給電システムとの親和性が高く、IT機器の稼働状況に応じて安定した運用をしつつ最大の省エネ効果をえることが可能です。
詳細は、長崎大学ホームページ2012年09月26日掲載「省エネ技術を結集した次世代モジュール型グリーンデータセンターを構築-従来のデータセンターに比べ消費電力を30%削減可能に- 」をご覧下さい。
【問い合わせ先】長崎大学大学院工学研究科電気・情報科学部門教授 黒川 不二雄
TEL 095-819-2557 E-mail [email protected]