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東日本大震災・支援活動

福島未来創造支援研究センター

川内村10年ぶりに高原ドウダン祭り

2021年06月21日

 「うつくしま百名山」(故田部井淳子選定委員会委員長;福島テレビ)という本が出版されて20年以上が経過しました。この間、東日本大震災と原発事故を経験した福島県でしたが、今年「新ふくしま百名山」が改訂出版されました。一つの県に浜通りの阿武隈山系、中通り・会津の奥羽山系に連なる名峰が100以上もあるのに驚かされます。飯豊山や燧ケ岳、磐梯山、安達太良山、吾妻連峰、そして浜通りにも鹿狼山、大滝根山など人口に膾炙した山々が多くあります。
   6月13日日曜日、平伏沼の天然記念物モリアオガエルの水楢の枝葉に産み付けられた樹上産卵を堪能し、高塚山での山開き行事、それも10年振りとなる「かわうち高原ドウダン祭」に参加しました。残念なことにサラサドウダンで有名な高塚山は先のふくしま百名山には紹介されていません。コロナ災禍のため県内関係者に限定された今回のイベントは、麓からシャトルバスでキャンプ場までの無料送迎でしたが、約200名の参加者が山頂の見事なサラサドウダン満開の木々の間のトンネルを満喫することができました。可憐なピンク色した釣鐘状のドウダンツツジの花塊は、一大群生地の高塚山のシンボルです。高塚ポッケ(1066m)からは東南方向に視界が広がり、富岡町、広野町、そして田村市の風力発電などが一望できます。一方、反対側のペラペラ石へ向かう道中では、北西方向の大滝根山頂の航空自衛隊分屯地のレーダー基地を近くに見ることができます。キャンプ場までの道路が整備されていますので、長崎市では稲佐山感覚の山登りですが、そのため「ふくしま百名山」からは選外なのかもしれません。
   最後に村の実行委員会メンバーと福島大学の学生らの裏方の奉仕に感謝です。

 

[ 長崎大学 名誉教授 山下 俊一 ]


かわうち高原ドウダン祭りの様子


サラサドウダン